歯ぐきの腫れ、歯ぐきからの出血、口臭、口の中のねばつきなどの症状で知られる歯周病が、重大な全身疾患を引き起こす場合があるのをご存知ですか？
歯周病の原因となるのは「プラーク」という細菌の塊で、歯周病が進行するにつれて数が増え、炎症を起こします。炎症が起こると歯茎から出血しやすくなり、そこから細菌が血管に侵入し、全身にめぐってさまざまな影響を及ぼします。
歯周病が原因となって発症する全身疾患には、次のようなものがあります。
- 糖尿病: 歯茎の炎症から、インスリンがブドウ糖を細胞に取りこむ動きを邪魔する物質が生まれ、高血糖の状態を助長し糖尿病を悪化させます。
- 低体重児出産: 歯周病による炎症から発生する物質の中に、子宮の伸縮を促し、早産の原因となってしまうものがあるのではないかと考えられています。
- 感染性心内膜炎: 大きな手術などで体が感染に対して弱くなっていたり免疫力が低下したりしている方の場合、歯周病による歯茎の炎症から体内に入る細菌によって心内膜炎が起こる可能性があります。
- 骨粗しょう症: 歯周病が悪化すると歯を支えている骨が溶けてしまい、骨がスカスカになってしまう骨粗しょう症と同時に発症すると、互いに病気の進行の原因となってしまいます。
- 細菌性肺炎： 高齢者の肺炎の大部分である誤嚥性肺炎(食べ物や唾液が誤って肺に入ることで引き起こされる肺炎)の原因となります。
- 脳卒中：歯周病の原因となる菌には、血小板を凝集させる作用を持っているものもあるため、動脈硬化や脳卒中のリスクが高まります。
放置しておくと取り返しの付かない事態を招く可能性のある歯周病。
重大な疾患から身を守るために、口腔内はくれぐれも清潔に保ちましょう。
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