「プルースト現象」とは、ある特定の匂いがそれにまつわる記憶や当時の感情をよみがえらさせる現象です。
「プルースト現象」という呼称は、フランスの作家マルセル・プルーストの作品『失われた時を求めて』の中で、主人公が紅茶に浸したマドレーヌの匂いをきっかけに過去の記憶を呼び起こす体験をすることから名づけられました。
2013年11月、この「プルースト現象」によって脳の一部が活性化し、同時に身体の健康状態も改善させるという研究成果が、徳島県で開催された日本ストレス学会で発表されました。
発表したのは、花王感性科学研究所た愛知医科大学などの研究グループです。
「プルースト現象」を引き起こす香りは、大脳前部にある快感に関わる部分や、大脳内側にある記憶に関与する部分の働きを活性化し、血液中にある、炎症の原因となる体内物質を減らす効果があることが、今回初めて解明されたのです。
今回の実験は、20〜35歳の男女計10人を対象に、「プルースト現象」につながる匂いの香水と、具体的な記憶と結びつかない未発売の香水の匂いを2分ずつかいでもらい、PET(陽電子放射断層撮影)を使って脳の状態を比較するという方法で行われました。
実験の結果、「プルースト現象」につながる香りをかいだとき、脳の部分が活性化し、出勤前の父親や、友達と買い物に行った記憶など子どものころの懐かしい場面を思い起こすことがわかりました。
現在では、この「プルースト現象」を販売戦略として利用している企業も少なくありません。
例えば、チョコレート会社のm&mは、チョコレートを買いたいという刺激を消費者の脳に与えるよう、店内にチョコレートの匂いを漂わせるよう努めています。
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