現在、世界中の糖尿病患者数は約3億8200万人で、有効な対策がなされない場合2030年までに約5億9200万人に増えると予測されており、現時点での日本国内の糖尿病医療費は、1兆2152億円という巨額に達しています。
そうした中、体内にたまった糖を尿から排出することを促し、体重を増やしにくくする新しいタイプの糖尿病治療薬が、来年1月に国内で初めて承認される見通しとなっています。
この新薬の名前は「スーグラ錠」で、アステラス製薬が厚生労働省に申請し、11月29日に薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で承認を得ました。
また、アステラス製薬以外にも、複数の製薬会社が同様の薬の承認を申請しています。
スーグラ錠は、新有効成分であるイプラグリフロジンL-プロリンを含有しており、腎臓が血液から尿に出た糖を栄養分として再び取り込む働きするSGLT2を選択的に阻害します。
スーグラ錠は、インスリン非依存性であることから血糖値を下げる効果があり、これまでの糖尿病治療薬と異なり、血糖値を下げすぎて低血糖を起こすリスクを低下させ、患者を太りにくさせるという特性をもっています。
加えて、スーグラ錠は、SGLT2を阻害する効果も発揮するため、SGLT2阻害薬として使用することができます。
スーグラ錠の服用方法は、一日一回50mgを経口投与することとなっていますが、効果が十分でない場合には、100mgまで増やすことも可能です。
スーグラ錠の長期投与における安全性や有効性に関しては、再審査期間8年の調査が今後継続的に行われ、脱水などの体内の水分が減少することに伴う副作用や尿路感染症の懸念があるかどうかを確認する予定です。
現在、スーグラ錠は韓国や台湾でも開発中ですが、海外で承認された例は今のところありません。
画期的な特性を有するスーグラ錠の承認への道が開けたことは、日本国内の多数の糖尿病患者にとって大きな朗報と言えるでしょう。
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