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RSウイルス感染症が大流行の兆候-早産児や乳児の重大リスクとは?

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(更新日:2013年10月17日)

冬の到来を前にして、RSウイルス感染症が大都市圏を中心に猛威を振るいはじめています。

国立感染症研究所が公表した速報値によれば、9月9日-9月15日のRSウイルス感染者数は3,469名に達し、過去2番目のハイペースで増加しつつあるとのことです。

RSウイルスは、冬にかかる風邪の原因となる一般的なウイルスであり、健康な大人や幼児期を過ぎた子供が感染した場合であれば、その症状は軽い鼻風邪程度で治ることがほとんどです。

しかし、RSウイルス感染症は、インフルエンザと異なり、ワクチンがないだけでなく永久抗体ができず、何度も感染する可能性があるという特徴をもっています。

また、RSウイルス感染者の大半を占める1歳未満の乳児の症状は、大人や大きな子供よりもきわめて重篤化しやすいため、その感染リスクには十分な注意を払わなければなりません。

ちなみに、乳児のRSウイルス感染症が重症化したことのサインとなる典型的な症状としては、次のようなものが挙げられます。

  • 呼吸が浅く、呼吸数が増える
  • ぜいぜいと苦しそうな息をする
  • 哺乳ができない

発熱や咳といった風邪に似た症状にくわえて上記のような症状が出てきた場合は、肺および気管に炎症(下気道炎)を起こしている可能性が考えられ、入院治療も含めた早期の手立てが必要なレベルにあると言えるでしょう。

近年のRSウイルス感染症の研究により、先天性心疾患およびダウン症などの染色体異常の乳児や、在胎35週以下の早産児は、症状の重篤化リスクがより高いことがわかってきました。

正期産児と比較すると、1歳未満の早産児の肺は容積が小さく気道の壁が厚いことから、十分な呼吸機能を発揮できないのです。
従って、RSウイルスに対する免疫力も正期産児より劣るため、感染後の症状がより重篤化しやすくなると考えられています。

RSウイルス感染予防の有効性が確認済みであるパリビズマブ製剤は、非常に高額な薬剤であるという理由から、保険適用による投与を受けられるのは、早産児を含めた高感染リスクの乳児に限られているのが現状です。

そこで重要になるのが、乳児への感染対策ですね。

乳児への感染は、感染者である家族を媒介にして起きる場合が大半であるため、乳児を抱っこしたりする際には、服についたRSウイルスが乳児に直接接触させないことが大切になります。

例えば、乳児の部屋の入り口に割烹着(かっぽうぎ)のような衣服を常備しておき、乳児と接触する前に、習慣的にそれを着用することをお勧めします。

RSウイルス感染症の大流行が本格化するのは、まさにこれからの時期です。
大切な赤ちゃんをRSウイルスから守るために、上記のような予防対策に万全を期しましょう。

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