(更新日:2013年3月18日)
風疹の感染者数の増大傾向が多くの県で明らかになっていますが、大都市圏、特に東京都内の感染者数の増加は深刻の度を増しているようです。
東京都感染症情報センターの発表によれば、今年初めから3月10日までの東京都の風疹患者数が合計762人に達したそうです。
つまり、3月時点で、既に昨年1年間の総患者数672人(過去5年間で最大)を超過したことになります。
これを昨年同時期と比較すると、実に50倍に相当する規模になります。
元来、風疹患者が増加するのは春から初夏にかけての時期であるため、人口移動が顕著になる春休みやゴールデンウィークを機に、さらに感染者数が増大することが予測されます。
こうした状況にかんがみ、東京都は現在、感染者数の拡大を極力防止するべく、風疹と診断された方は外出を可能な限り控えて欲しいと広く呼びかけています。
風疹感染後のリスクが特に懸念されるのは、妊娠中の女性です。
妊娠初期の女性が風疹に感染すると、生まれてくる赤ちゃんに先天性風疹症候群と総称される各種の障害が出てくる恐れがあるのです。
現に、昨年の10月以降、風疹に感染した妊婦から心臓・目・耳に障害をもった赤ちゃんが生まれた事例が、全国で6例認められています。
このため、産婦人科の専門医は、妊娠を希望する女性は、あらかじめ風疹の予防接種を受ける必要があると指摘しています。
過去に風疹の予防接種を受けたことがある方でも、決して安心はできません。
風疹ウイルスに対する抗体が、妊娠中の女性の4人に1人は不十分であるという調査報告もあるからです。
これは、予防接種を受けてからかなりの時間が経過していると、抗体がかなり減ってしまうことによるものです。
現状の対策として、妊婦のいる家庭では、まわりの家族が予防接種を受けて感染を確実に避けるよう努めて欲しいと、産婦人科専門医は提言しています。
また、妊婦自身とっては、外出時にはマスクをして、できる限り人ごみを避けることが、感染予防のための最も基本的な対策なのだそうです。
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